最近の勉強会について

書くネタがないわけではないのですが、お酒を飲んで家に帰るとそういう気力も湧くこともなく、気が付くとベッドの中でまどろんでしまっているのです。

さて、先週はいろいろとイベントづくしでした。
参議院議員宇都隆史先生による時局講演会、明推協主催による大学生との意見交換会、公民館総会に中谷元先生による集団的自衛権についての研修会、古事記勉強会。

集団的自衛権について勉強会が続いているこのごろですが、どうせやるならもう少し早めにやって市町村で関連意見書があちこちでるような事態は避けるようにすればよかったのにと今更ながらに思うわけです。しかし渦中にいるときというものは往々にして自分がどのような環境に置かれているのか捉え難く、周辺のこととなれば尚更感知し難いものです。6月定例会、閣議決定を経てしばらくたった今だからこそ、振り返ってそのように総括できるのかもしれません。

さて、この集団的自衛権行使についての解釈変更(解釈改憲ではない)のお話は、勉強すればするほどその必要性・重要性を痛感せざるを得ないわけです。平和平和と叫んでいれば戦争が起きないわけではなくて、病気にならないように病気のことを勉強して予防措置をとらねばならないように、軍事についての知識をはじめとして戦争についてよくよく勉強し、その上で必要な抑止措置を講じることが必要なわけです。

安全保障の分野において軍事力が最も効果的な抑止力として働くわけですが、さらにそこから通常戦力と核戦力に大別され、そのどちらも不可欠な抑止力の構成要素であります。

核が抑止力として十分な力を発揮することはいちいち説明の必要はないだろうと思います。通常戦力とは、前方展開能力のことであり、戦術的に見れば主として空母を伴う航空攻撃戦力と高い機動力を有する海兵隊戦力のことです。

これらが有効に発揮されるためには、これらの抑止力が有効に発揮されることを相手が合理的に判断できる能力を持っていることが求められます。その意味において内圧や外圧によって国家運営が危機的状況に陥った場合には、抑止力が有効に機能しない場合がある・・・日本近隣には潜在性をもった国がいくつか見当たりますから殊更心配ですね。そしてもうひとつは、その抑止力が有効な打撃力を有し、なおかつ強靭な生き残り性を有していることです。核ミサイル基地の地中化などは生き残り性の強化に当たりますかね。

さて、このような観点で日本の自衛隊が抑止力を有しているのか問われれば、みなさんお分かりの通りノーなのでございます。自衛隊は自衛のための必要最小限度の備えであり他国の基地を攻撃するなど全く想定されていないのであります。ということは、他の何かが日本の抑止力を担っているわけで、それこそ皆さんご存知の通り日米安全保障条約に基づくアメリカによる核の傘と米軍なわけです。

私達は抑止力が一方的に提供されていることからあまりその重要性について意識することはないのですが、しかしよくよく日本の軍備の変遷について振り返ってみると、世界情勢の変化とそれに伴うアメリカ防衛大綱の見直しが行われれば、それ相当の変化が自衛隊軍備もたらされていることが見て取れるわけであります。特に、最近のアメリカの国力の低下やオバマ大統領の「世界の警察やめます」発言などを受けて、日本としても一定、アメリカ由来の抑止力の低下分を補填する必要がでてきているわけであります。

さてそういうことで見直しが行われました集団的自衛権行使についての9条解釈変更ですが、あわせて徴兵制などのお話が出ていますので、それがいかに荒唐無稽なお話であるかについても宇土先生のお話を参考に解説を加えたいと思います。

まずそもそも軍事の分野も日進月歩であって、それなりの技術と知識がないと今日日自衛隊員として役に立たないとのことでした。それはそうですよね、兵器も進化するしIT技術などもいろいろと取り入れられていますから・・・だいたい3,4年訓練しないと使い物にならないそうです。

次に一定の年齢層が徴兵されるとして、その人件費はどのように賄うのかという財源問題があります。いまでさえ予算不足で定足数満たしていないのに・・・

さて、最後に申しておったことは憲法上の制約。憲法18条に「誰も自分の意志に反する苦役に従事することを強要されない」、とあってこれによって徴兵制はダメですよというのがいまの政府解釈だそうです。おおよそ司法判断に持ち込んでも同様の結論を得るでしょう。この条文の由来は、アメリカ合衆国憲法の追加条文だそうです・・・

というわけで徴兵制はありえないのですが、徴兵制ないと言っても国民国家において国家間戦争が起きれば総力戦になるのは当たり前のことなので、否応なく戦火に巻き込まれることは想像に難くありません。そういう最悪の事態が起きないようにということでいま抑止力の議論がされているわけですね。

また次回記事を書く機運に恵まれた際には古事記勉強会で得た雑学についてご披露申し上げたいと思います。