第一回高知コアセンター講演会

第一回高知コアセンター講演会
「ちきゅう」で巨大地震を探る に参加しています@グリーンホール

福井てる文科省副大臣と知事も参加。

海洋開発研究機構は、私自身も大学時代にOs同位体比測定でお世話になった古巣で、世界最高性能の海洋掘削船「ちきゅう」を保有しています。同機構と高知大学の共同管理で高知県の空港のそばに海洋コアセンターが設置されています。世界に三箇所しかない同センターには海洋掘削で採取された海洋底のコアが冷温保管されています。当然、研究設備も世界最先端のものがたくさんあります。

さて前置きが長くなりましたが、この「ちきゅう」で南海沖を掘削し、過去の地震痕跡を調べているのですが、その途中経過を報告するというのが今日の主旨です。地震により滑りを生じた境界面付近の岩石がどのような状態にあるかを定量的に分析し、これをもとに地震のメカニズムの解明を試みています。
沈み込み帯に運び込まれた泥などの堆積物は、大深度部に向かうにしだがって圧力によりその含水率を低下させます。結果押し出された水が高圧の帯水層を形成し、上部構造を滑りやすくさせているのではとの説が示されました。

別件ですが、プレート境界浅部は地震の力を溜め込むメカニズムを有し、また浅部ほど摩擦係数が低いために滑りが大きくなるのではなど、ほかにもたくさんの面白い知見が得られました。

科学は本当に面白いですね。

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