集中豪雨

台風12号の影響で、2日からずっと降り続いている雨。皆さんご存知の通り、総雨量はすでに1000ミリを超え、県内各地で避難指示・避難勧告等が相次ぎました。被害は多種多様で、中山間地域での土砂災害、南国市や須崎、さらには高知市内では河川が氾濫し、床上・床下浸水を引き起こしました。

私の住まう一宮もその例外ではなく、県道の冠水までは至りませんでしたが、市道の一部や農道は水路と見紛う様相。土佐神社のすぐ西側を流れる志奈袮川の水位は一部ですでに氾濫水位を超えていました。あと10数センチほど水嵩が上がっていれば、土嚢を超えて県道一宮マルナカ店前が水浸しになっていたでしょう。98豪雨の際に前科があるそうで、そういった反省から南側の下流からジワジワと河川拡張工事が行われていますが、まだ県道北本町領石線(東西の県道)以北が未着手です。

地域の方と情報を交換して、県河川に状況を連絡。追加の土嚢が必要になるかもしれない旨を伝えました。電話を入れて5分も経たないうちに河川管理を委託された事業者の方が到着。電話以前に見回りにでていたのだろうと思います。事業者の方は手際よく土嚢の嵩上げを行ってくださいました。(↓志奈袮川の写真)

おおよそ09:00頃が水位のピークのようで、その後は雨量の低下とともに水位も下がりました。今回は幸いにして大きな被害には至りませんでしたが、週半ばには台風11号も接近するということで(昨今のゲリラ豪雨の傾向からして)予断を許さない状況です。

一方鏡川は、ダムの放流が10:30頃に行われると氾濫水位ぎりぎりに達しました(参考:国土交通省テレメーター)。事態に基づき市内全域に避難勧告が出されると、私の携帯もけたたましくお知らせ音を立てたのでした。ダムの放流は浦戸湾が満潮から干潮に転じるタイミングとダムの貯水状況を見ながら行ったのだろうと推測します。放流の判断、精神的に大変だったろうと思います。担当者様お疲れ様です。

さて、治水の大切さを考えさせられる一日でした。まだ十分な治水事業が行われておらず、氾濫した地域や、直前まで達した地域など多々見受けられます。地方の公共事業は無駄、経済性優先といった論調が続く中で一律に予算が削られてしまい、その影響から事業着工が遅れたり、見直しにより未着手のまま放置されてしまったものもあるでしょう。中・長期的あるいは最悪の場合を想定して、必要な物は必要なのだ、そうしっかりと声をあげていくのが我々の役目であるということを改めて認識いたします。

もう一点、先人たちの偉業というかご労苦には本当に頭が下がります。自分が子供の頃には、台風が来る度にあちこちの山が滑り、河川が氾濫していました。ひと通り潰れるところは潰れたと言うべきか、かつての崩れた場所はコンクリートとアンカーで固定され、河岸はコンクリート製へと変えられました。子供ながらに、うなぎやサワガニ、魚釣りができなくなって非常に残念な思いをした覚えはありますが、先人のお陰様で水害による人的・物的被害が大きく減ったのは紛れもない事実です。今後更新する際には、魚道や魚の隠れる場所など自然に配慮した工事を行っていくことも大切ですね。