東京なう。

昨日から東京出張です。日曜日まで滞在予定です。
初日はかつての所属研究室の皆さんとの懇親会。
二日目以降は日本政策研究センター主催の研修への参加が目的です。日本政策研究センターとは保守系シンクタンクで、12月19日には代表の伊藤哲夫先生が講演のため来高くださることになっております。

旅のはじめからトラブル発生。
羽田空港への低気圧の接近によって、まず飛行機の高知入りが遅れました。機材の整備の必要性から更に遅れること2時間、懇親会への大幅遅刻が確定した中ようやく離陸することができました。

懇親会の会場は人形町の中華料理屋さん。
懇親会のメンバーは、現職の本省役人さん、本省からかつての水が恋しくて研究室に出戻った人、研究道一本の方、恩師の加藤泰浩先生など様々です。加藤先生は前にも紹介させていただきましたが、海洋のレアアース採掘でご活躍中の方です。ライバルがたくさんの中、専攻長に出世されたとのことですから、研究の世界において研究成果というものがいかに重要かということがよくわかります。

レアアースの研究はどうなっているのか?と尋ねてみると、試験掘削の政府予算がつくかつかないかそんなところにあるそうです。民間は中国との摩擦をおこす当事者にはなりたくないので、出資まではしてくれないと。採算がどうとかいう段階でもないのであとは政治的判断に依るといったところでしょうか。マクロな観点から、開発可能であることを確認して、選択肢としてありますという状態にはするべきだと思います。

次に陸上のレアアースの話も聞いてみました。高知にもポテンシャルがあるそうなので、受け皿を作るために何かしてみようと思います。これもまだラボベースではありますが、やってみないことには商業ベースにのるかどうかもわからない。

あと、海洋掘削船ちきゅうの話。

最後に安倍総理の話。引き続き地球資源の話ですが、最近安倍総理は地熱のレクにとても興味を示されたとか。お陰で周りが地熱押しをはじめて、政府の科学技術戦略のいのいちに地熱がピックアップされたとのこと。しばらくはこの分野の科学研究費が優遇されるかもとかなんとか……事実だとしたらいいのかんこんなんで(笑)

さて、私は今から秋月電子で電子部品を買ってその後は靖国神社参拝です。

第一回高知コアセンター講演会

第一回高知コアセンター講演会
「ちきゅう」で巨大地震を探る に参加しています@グリーンホール

福井てる文科省副大臣と知事も参加。

海洋開発研究機構は、私自身も大学時代にOs同位体比測定でお世話になった古巣で、世界最高性能の海洋掘削船「ちきゅう」を保有しています。同機構と高知大学の共同管理で高知県の空港のそばに海洋コアセンターが設置されています。世界に三箇所しかない同センターには海洋掘削で採取された海洋底のコアが冷温保管されています。当然、研究設備も世界最先端のものがたくさんあります。

さて前置きが長くなりましたが、この「ちきゅう」で南海沖を掘削し、過去の地震痕跡を調べているのですが、その途中経過を報告するというのが今日の主旨です。地震により滑りを生じた境界面付近の岩石がどのような状態にあるかを定量的に分析し、これをもとに地震のメカニズムの解明を試みています。
沈み込み帯に運び込まれた泥などの堆積物は、大深度部に向かうにしだがって圧力によりその含水率を低下させます。結果押し出された水が高圧の帯水層を形成し、上部構造を滑りやすくさせているのではとの説が示されました。

別件ですが、プレート境界浅部は地震の力を溜め込むメカニズムを有し、また浅部ほど摩擦係数が低いために滑りが大きくなるのではなど、ほかにもたくさんの面白い知見が得られました。

科学は本当に面白いですね。

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