雑感

実に久しぶりの更新ですね。
アクセスログを見ると、12月2日は普段よりたくさんの方が当サイトを訪問してくれていました。
衆議院選挙の告示日でもありますし、何かコメントをするのではないかと期待してくださったのでしょう。私はどうしていたかと言うと、公職選挙法が改正されてインターネットの利用がどのように制限されたのか検討がつかなくて、書くにかけないなぁなどと思いつつ、選挙のお手伝いをしていたのでした。ご期待くださっていたみなさん、申し訳ありません。

さて、まず時節柄コメントすべき内容は今回の衆議院選挙についてであろうと思います。
私は政治的に極めて上手な解散総選挙だなぁと感じていました。嘘じゃないですよ!西内健さんに確認してみてください(笑)
解散当初は、争点がわからないとかいろいろ批判がありました。自分なりに理解しようと安倍さんの胸中は如何に?と勘繰ってはみますが、所詮は他人ですから分かる筈もありません。そこで、この国にとっていま一番必要とされていること、つまり国益に繋がることはなにかと問いかけます。日本の首相、日本の課題、前者はころころ交代して、後者は山積と解くことができるわけで、そこから今日本に必要なことは長期の安定政権(内閣)を作ることであろうと結論しました。

安倍さんも1次内閣の時のことは痛切に反省をしていると思います。当時も様々なマイナス要素が噴出をしましたが、その際に安倍さんはとにかく強引に走りぬくことを選択しました。結果、足元が崩れてしまって、志半ばで政権を離れなくてはならなくなったのでした。もちろん直接的には持病が原因ではありますが・・・

ということで今回はどうしても長期政権にしなければならないわけです。そのためには早速追求された政治と金のスキャンダル問題の禊ぎを、さっさと済ませてしまう必要があった。そもそも解散しなければならなくなって解散したのでは、内閣を維持しかねますからね。

安倍さんには長く首相を続けて頂きたいですね、長く続けることが国益にかなう。だからこのタイミングの選挙とはよくやったもんだと感心しています。

 

一応本人が、解散の理由を説明していますのでその点にも触れておきましょう。解散で信を問うは主に2点についてとのことです。

  • アベノミクスの評価
  • 消費税増税先送りの是非

よく巷で、アベノミクスと消費税5→8%の功罪を混同した話がされていますが、これは正しく世の中を理解するためにも分けて考えるべきだと思います。まずアベノミクスのゴールが雇用を増やすとともに賃金を増やすことであるとする。雇用拡大と経済指標を見れば、一定進捗していると評価することができます。株価や企業の倒産件数の減少はもちろんのこと、高知でも税務署の報告では法人税が大幅に増えましたし、有効求人倍率も0.84超えの高い水準を保っています。では賃金はどうなのか?今年度、中小企業の3分の2が賃金の引き上げを行いました。名目総雇用者所得は2014年は1.6%のアップとのことです。ポイントは物価上下を考慮した実質総雇用者所得がアップしたかですが、消費税要因を考慮しなければプラス圏にあります。

以上より、アベノミクスはある程度成果を出していると言えると思います。

しかしここで問題となるのが、消費税要因を考慮した実質総雇用者所得です。5→8%の引き上げによって物価は高騰し、実質総雇用者所得は5月以降、前年同月比マイナスで推移しています。これでは実質上の給料減です。さらに言うならば、高知の中小企業においては、そもそも4月に賃金引き上げを行わなかった事業所も多いことでしょう。冷え込みが長かった分、また、2015年秋に8→10%が待っているとすれば慎重にならざるを得ないのも頷けます。実感がないだけでなく、消費増税によって生活がますます苦しくなるはずです。以上から自民党が責めを負うべき点があるとすれば、この春早々に消費税率のアップをしたことです。まあ、前年度後半の経済指標からすればなかなか難しい判断ではあろうと思いますが。

以上を踏まえた上で、合点いくのが消費税率8→10%先送りの18ヶ月(2017年4月)という期間の長さです。給料アップの機会がいつ訪れるかと言うと4月。2013年の4月は政権交代後間もないので考慮しないとして、2014年の4月は賃金アップされました。しかしこれでは消費税率8%へのアップによる物価上昇分をカバーしきれなかった。ならば、2015年、2016年、2017年と3回賃金アップの機会を待とうじゃないかというわけです。18ヶ月という期間でもって、高知をはじめるとする地方の中小企業さんの背中を押して、賃金引き上げに踏み切っていただく。もちろん、賃金アップを可能とするための景気の好循環を、政府は維持するべく政策を講じなくてはならないのであります。(消費税そもそも上げなくていいんじゃないかという議論は別に譲ります。)

というわけで、今回の解散では、「アベノミクス」と「消費税増税先送り」の是非について国民に問うているわけです。

 

今日も長々と書いてしまいました。
最後まで粘り強く読んでくださった方のために大変興味深い動画を紹介したいと思います。動画の内容は、上で散々言ってきたこととは相容れない内容ですがご容赦ください。世の中急激に変わるのはとにかく良くないものです。ある程度時間をかけながら、彼の言うところを目指すべきであろうと思います。

[youtube]https://www.youtube.com/watch?v=Q7aJcf_Lexs[/youtube]