講演「ごはんが子どもたちを変えた!!」を聞いて

著書「給食で死ぬ」で有名な 上田市(旧真田町)元教育長、大塚貢さんの講演があった。私が大いに関心を寄せる、食と美と健康に関する内容である。

上田市の真田地区では、当時少年非行が横行していたそうだ。教育長となった大塚氏は、この問題に対処するべく給食改革に乗り出す。

非行に走る子供達の多くが、朝食を食べていなかったり、コンビニで弁当やオニギリを買って昼食に充てていた実態があった。

学校で供されることとなった給食は、米飯、具たくさんの味噌汁、焼き魚、副菜という和食中心の献立とした。

サンマやイワシといった青魚を中心に、野菜や果物を含め、1日の食事は給食で十分というほとたくさん出したとのこと。

「バランスの取れた給食によって、『心』と『身体』は健やかに育まれます。その土台ができて初めて揺るぎない学力が身につくのです」

この言葉の通り、二年目には非行が町からなくなり、不登校も2人まで減った。がら空きだった図書館は席に溢れて床に座って読書する生徒が出るほどになり、さらには読書感想文で全国で表彰される生徒がコンスタントに出るようになったそうだ。

他にも小学校赴任時には、花壇を花一杯にするなど努力を重ねたそうだ。一年二年と経つうちに、花壇に踏み入ったり、ボールを入れるようなことがなくなり、生徒が花を愛で大切にするようになった。

私自身がアトピーを持つから、健常であるために食事や心身の状態がいかに重要であるかは常日頃痛感している。症状の良し悪しは、普段の食生活から決まる内臓の状態、さらには忙しさや責任などのストレスによって大きく左右される。

同様に、育ち盛りで多感な子どもたちも、勉強に励んだり健康に動き回るためには、内面から整えることが大切ということであろう。青少年の健全育成のために、学校がやれることがまだまだあると勉強させていただいた。