天皇誕生日

 天皇陛下は、本日85歳の誕生日を迎えられました。誠におめでとうございます。

 陛下の最後の記者会見を拝聴させていただく中、国民への慈愛あふれるお言葉と皇后陛下への感謝のお言葉に目頭が熱くなりました。

 誠にありがとうございます。

 なお、本日1330より、高知会館において「天皇誕生日をお祝いする県民のつどい」が開催されます。奉祝行事の後には、皇室ジャーナリスト 高清水有子 女史による講演会がございます。どなたでもお誘い合わせのうえお越しください。

「いずも」の空母化について

来年度政府予算に「いずも」型護衛艦の事実上の空母化の予算が盛り込まれたとして話題となっている。

(海自HP)

報道やネットニュースを見ていると、専守防衛を逸脱するとか、周辺諸国を刺激するから良くないなどと、しょうもないコメントが取り上げられている。

政府は政府で、これは災害救助の時に活用するなどと あまり上手くない反論を行っている。

全く煮え切らないと感じた私は、ついに我慢できなくなって記事を書くのであった。

 

さて、「いずも」の事実上の空母化がなぜ必要なのか、そのことを理解するためには軍事的背景についての理解が不可欠である。

 まず、正規空母不要論の台頭について。正規空母を維持には莫大なコストを必要とする。米原子力空母のミニッツ級であれば建造費4,500億円、年間維持費400億円、人員にいたっては5,000~6,000人を要する。さらに言えば、空母を護衛するためにたくさんの艦船を連れなければならない(空母打撃群)。空母を見学した知人が、ちょっとした町のようだったと語ったが、それだけの人員を抱えていればさもありなん。

(Wikipediaより)
 この莫大なコストを要する空母であるが、最近の紛争では出番が減っているらしい。わざわざ制空権を確保して爆撃機を飛ばさなくても、潜水艦や駆逐艦から巡航ミサイルを打てば済む話なのだ。

 さらに不要論を強烈に押したのは、中国が開発したCM-401に代表される極超音速(マッハ4~6)に達する射程15-290kmの対艦ミサイルの登場である。この速度の対艦ミサイルの迎撃は極めて難しい。さらに、たくさんのミサイルを同時発射する飽和攻撃を選択されたら、正規空母は間違いなく海の藻屑となってしまうだろう。莫大なコストをかけて運用している空母打撃群が、遥かに安価な対艦ミサイルによってあっさり壊されているようでは間尺に合わない。

 ことほど左様であるから、正規空母→軽空母の流れができた。なぜ軽空母なのかについて掘り下げる前に、2つの事柄について触れておく必要がある。

 超高速巡航ミサイルをご存知だろうか?敵の目や頭脳など、軍事にかかわる重要施設への精密攻撃に用いられている。トマホークが有名か。近年はその長射程化・超高速化が顕著である。

(Wikipediaより)

 巡航ミサイルは一般的に海面や陸上のぎりぎりを飛翔し、小型であるためにレーダーでの補足が困難である。さらに地球が球体であるために、レーダーにもレーダーの水平線というものが存在する。超高速で接近する巡航ミサイルが複数存在する場合、レーダーが補足できたころには、そのすべてに対処する時間的猶予は与えられないかもしれない。

 となると、高々度において別の目によって捉えた情報を護衛艦や地上基地において利用することが必要となる。早期警戒管制機(AWACS)の運用などはその最たる例であろう。

 ここでF35-Bの登場となる。

(Wikipediaより:F35)

F35-Bは、航続距離が比較的短く、特定の用途というよりも何でも屋の戦闘機である。滑走路不要の垂直離着陸(STOVL)能力をはじめとして、極めて高性能なレーダーと強力なネットワーク能力によって、味方の部隊に対して瞬時に正確な情報を提供することができる。さらに、F35-Bはそのネットワーク機能により、護衛艦のミサイル等を用いて攻撃対象に打撃を加えることができるといった特徴を有する。

 

 ここまでくれば答え合わせのようなものだ。AWACSに加えて、F35-Bのレーダーとネットワーク機能を使うことにより、凶悪化する巡航ミサイル等に対処できるようにと考えるのは当然の成り行きであろう。

 そしてその運用は、莫大なコストのかかる正規空母である必要はない。F35-Bは、垂直離着陸(STOVL)能力を生かして、滑走路を持たない「いずも」のような小型の軽空母、もとい護衛艦でも十分に可能である。

 「いずも」だけでなく、「かが」などのいくつかの空母配備が実現すれば、日本と仮想敵国の間に広がる海の治安は多少は改善することであろう。

 

 日本の存亡にかかわる防衛問題については、戦争怖い!などの感情論ではなく、国際情勢や軍事的背景まで踏み込んだ骨太の議論が展開されることを切に願う。

外国資本による土地購入と水

先日、水道法改正に関する記事を書いたことに関連して、外国資本による土地購入による水資源問題についても触れてみようと思う。

最近、外国資本(主に中国人を念頭に。)による日本国内の土地購入が問題としてしばしば取り上げられている。懸念されていることは、世界的な水不足を背景に、水資源が盗み取られるのではないかということ。それ以外にも、軍事基地に隣接する地域が購入され、諜報活動に利用されるのではないかということも挙げられている。現状外国資本による土地買収を取り締まる法律はない。

それでは、規制することのできる法律を作れば良いではないか、と言う人もいる。しかし、自由経済を標榜し、WTOに加盟をして、民主主義を謳う我が国においては、慎重にこれを検討する必要がある。

例えば、中国のような共産主義国家においては、すべての土地は国家に帰属していて個人が所有することができない。しかし日本はそうはなっていない。日本だけでなく、多くの民主主義国家では多少の条件がつけども国籍にかかわらず土地を取得することができる。日本の企業や個人が海外に土地や施設を取得できるのに、日本国内においてはそれが認められないといったアンバランスな政策を採ることができるだろうか。

かといって泣き寝入りをする必要もない。検討する余地は、多少の条件の部分。国家が安全保障上重要な地域と指定する区域については、土地取引に際して届出及び認可が必要とすれば良い。すでに外国資本が入っていると言われているが、軍事基地周辺、離島などがこれに積極的に含まれるべきだ。なお、自民党本部のとある部会では、この件の取り扱いについて調査が行われている。

さて、肝心の水利用の部分について触れたい。結論から申し上げると、水利権に関係する部分の取水については、外国資本によって問題が引き起こされる可能性は低い。水利権の分野は既得権が相当強く、たとえ日本人であろうとも新規に確保することは容易ではない。

しかし、水利権に係らない地下水は、これとは別の話となる。自治体において網掛けとなる条例がない場合、地下水は制限なく取水することができる。

すでに関連する条例が設置された自治体はいくつかある。これらは、地下水の過剰汲み上げによって地盤沈下が生じたケースや他の地下水利用者に不利益が生じたことによって裁判沙汰になったといったような経緯から設置されている。これらの条例の改正によって取水量制限をコントロールしてしまえば昨今の課題にも十分に対応できると考える。

少し調べて驚かされたことは、地下水の利用についての制限条例を設けている自治体があまり多くないということ。さらには水利用・管理に関する網羅的な法律が我が国に無いことである。(水循環基本法という水の循環の保全についての法律はある) たぶん慣行に依る部分が多すぎてなかなか手を加えられないのだろう。

高知県においてはどうか。以前に外国資本による土地領有問題が会派で話題になった際に、浜田県議ほかとこの件について検討を行ったことがある。(この時の主題は外国資本を念頭に置いた山林売買の届出制についてであった。) 担当課の方からは、山林に関連した水源問題については、取水管の径、つまり取水量によって市町村の許可が必要との説明があったことから、屋上屋を架す必要はないとの話に落ち着いた。しかし今回調べてみた限りでは、地下水の取水量について条例で制限をかけている県内自治体は見当たらないように思う。条例以外の網がかかっているかもしれないので迂闊なことは言えないが、引き続き勉強が必要そうだ。

参考

講演「ごはんが子どもたちを変えた!!」を聞いて

著書「給食で死ぬ」で有名な 上田市(旧真田町)元教育長、大塚貢さんの講演があった。私が大いに関心を寄せる、食と美と健康に関する内容である。

上田市の真田地区では、当時少年非行が横行していたそうだ。教育長となった大塚氏は、この問題に対処するべく給食改革に乗り出す。

非行に走る子供達の多くが、朝食を食べていなかったり、コンビニで弁当やオニギリを買って昼食に充てていた実態があった。

学校で供されることとなった給食は、米飯、具たくさんの味噌汁、焼き魚、副菜という和食中心の献立とした。

サンマやイワシといった青魚を中心に、野菜や果物を含め、1日の食事は給食で十分というほとたくさん出したとのこと。

「バランスの取れた給食によって、『心』と『身体』は健やかに育まれます。その土台ができて初めて揺るぎない学力が身につくのです」

この言葉の通り、二年目には非行が町からなくなり、不登校も2人まで減った。がら空きだった図書館は席に溢れて床に座って読書する生徒が出るほどになり、さらには読書感想文で全国で表彰される生徒がコンスタントに出るようになったそうだ。

他にも小学校赴任時には、花壇を花一杯にするなど努力を重ねたそうだ。一年二年と経つうちに、花壇に踏み入ったり、ボールを入れるようなことがなくなり、生徒が花を愛で大切にするようになった。

私自身がアトピーを持つから、健常であるために食事や心身の状態がいかに重要であるかは常日頃痛感している。症状の良し悪しは、普段の食生活から決まる内臓の状態、さらには忙しさや責任などのストレスによって大きく左右される。

同様に、育ち盛りで多感な子どもたちも、勉強に励んだり健康に動き回るためには、内面から整えることが大切ということであろう。青少年の健全育成のために、学校がやれることがまだまだあると勉強させていただいた。

水道法改正の件

水道法改正についてミスリードが多いようなので記事を書く。

なぜ水道法を改正する必要があったのか、簡潔にいうと

老朽化が進み、人口が減って、水道局の人手も足りなくなって、このままではサービス維持できなくなることが明らかであるからだ。

もちろん改正したからと言って、すべての自治体においてサービス維持が完全にできるようになることを保証するものではない。それぞれにおいて努力が必要だ。

さて、肝心の改正ポイントについては、下記資料の21-25ページを読めばだいたいわかっていただけると思う。水道事業が直面している問題については、最初の数ページに簡潔にまとめられているのでそちらも参照されたし。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000179020.pdf

話題のコンセッションについても、21~25ページにある通り、行政が方針を決定し、全体管理をすると書いてある。むしろすでにPFI委託されていた東京都都の一部事業(p.13)については、都の認可を返上した上で民間事業に認可を与えるという手法をとらざるを得なかった。このような状態を放置することのほうに問題があって、委託した民間事業者の暴走がそんなに心配なら早急に法改正を要求する立場に立つべきであろう。

テレビや新聞、雑誌等からの情報が圧倒的に偏っているように感じる。少ない紙面や放送時間の制約から取捨選択せざるを得ず、仕方がないのかもしれないが・・・