都道府県議会議員研究交流大会

ご無沙汰しております。

前日にはPHP主催の民間事業委託の課題とこれからについて勉強会に出席、本日は標記の大会に出席しております。

全体講演会では時事通信社の加藤清隆解説委員長のお話を聞きました。
宰相の資格についてがテーマだったのですが、実際には財政とTPPの話で終始。

財政については、安全資産として円が買われている現状、国債保有者の95%が日本人または日本の金融機関であることなどを引き合いに財政危機論を否定、併せてデフレ経済下における国の緊縮財政や増税路線を批判しました。

TPPについては、従来からの日本の平均関税率の圧倒的な低さ、比較して円高による損失の影響の大きさ、農業への影響、各参加国のGDP規模から実質的日米FTAでありオバマ大統領への花向けであることなどの指摘を行い、参加反対を訴えておりました。

前者については、社会保障費の増大への対応、前の投稿でも触れた間接税による徴税の必要性の高まりなどから、消費税についてはきちんと議論を進めるべきだとの見解を私は持っています。

後者については全くその通り、TPP推進は亡国への道程と考えております。
留意しなくてはいけないのが政策全般に言えることでもありますが、TPP締結時の国民生活への影響が、バブル崩壊やリーマンショックがそうだったように、時間をかけてジワジワとやってくる点です。

最後に質問の機会がやってきました。
挙手はしたものの時間の都合で順番は回ってきませんでした。
そこで発言したかったことは、我々の職責として後の祭りは許されないわけですから、TPPを締結してしまった場合の日本の受ける深刻なダメージを勘案すれば、もし民主党所属の県議の中に個人としてはTPP反対なのだけれど、党の方針に従っているという方がいらっしゃるのであれば、日本と県民市民のこれからを真剣に考えて離党してでも反対すべきなのではないか、といった内容です。

憂うべきことはたくさんあるのですが、兎も角もTPPについて勉強会を開いてきちんと情報発信していきたいと考えています。

wikileaksにおけるTPPの公電暴露の件について

TPPとは環太平洋戦略的経済連携協定の略称で、これに加盟する太平洋諸国間においてはあらゆる貿易障壁を置かないようにしましょうね、という取決めです。

ありとあらゆるものが対象とはつまり、国家安全保障に係わる電気や通信事業、公共事業の落札や公務員の採用すべてに及びます。
本協定のもとでは、現行法で外資参入が規制されていても、先方から協定違反を指摘されれば規制を撤廃しなくてはなりません。
新聞・報道等では農業団体などが強烈に反対している くらいにしか書かれていませんが、実は国内経済・制度、あるいは文化教育等まで影響を及ぼしうる内容ですね。
このように書けば、その潜在的恐ろしさが十分わかっていただけると 思います。ちなみに私もTPP反対派です。

さて、2006年5月にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4カ国加盟で発効した経済連携協定ですが、2010年10月よりアメリカ主導の下に急速に推し進められることとなりました。
2010年の2月には、ニュージーランド外交貿易省のマーク・シンクレアTPP首席交渉官の下記発言が在ニュージーランド米国大使館から本国向けに公電(原文)として送られました。

On multilateral issues, Sinclair emphasized that New Zealand sees the TPP as a platform for future trade integration in the Asia Pacific.
If the eight initial members can reach the "gold standard" on the TPP, it will "put the squeeze" on Japan, Korea and others, which is when the "real payoff" will come in the long term.
(http://www.wikileaks.org/cable/2010/02/10WELLINGTON65.html)

公電なんて大事なモノがなぜ出回っているのかと言えば皆様ご存知wikileaksのせいです。
この文章が詳らかにされると、TPP反対派の方々は次のように翻訳を行い転載を 行なっているようです。(転載文はググれば出るよ。)

TPPが将来のアジア太平洋の通商統合に向けた基盤である。
もし、当初のTPP交渉8カ国でゴールド・スタンダード(絶対標準)に合意できれば、日本、韓国その他の国を押しつぶすことができる。それが長期的な目標だ。

wikileaksの社会的評価とその内容の信憑性は別として、”put the squeeze on” のところを押しつぶすと読ませるのはちょっと無理あるし悪意あるかなというきがします。
「~を締め付ける」と訳したほうが適当だと私は思いますね。