本年も出席しました「建国記念の日を祝う高知県民の会」
例年にも増して多くの人が来場していたように思います。若い人もちらほらと見かけました。
対外的な危機感を源泉に人々が一致結束する様には既視感を覚えます、もちろん既視感の元となる出来事のほとんどは書物の上でしか知りえないのですが。昨年末に封切りされた「永遠のゼロ」の影響も多少あるかもしれません。
今日の講師は 沖縄出身の惠隆之介先生です。陸自を出て現在は評論家として活動中です。
主な内容は、保守の人も誤解しているアメリカ統治下の沖縄の話。彼が沖縄のことを知る契機となったのは大学の研究で沖縄の医療について調べたことにあるそうです。アメリカ統治下で沖縄の医療が大きく改善し、伝染病などが下火になると、平均寿命が47歳当時→87歳今日と飛躍的に回復しました。このような統計的事実を前に、報道や教育で知らされている沖縄の姿と乖離を感じるようになり、そのギャップを解消するために自身で沖縄の歴史等を掘り下げたということです。
彼の語る沖縄は、我々の全く知らない沖縄でした。政策的側面があるとはいえ、多くの心あるアメリカ人が沖縄のために活躍される話は感動的でした。特に沖縄の看護士の基礎を築いたアメリカ人看護士が、実は高知にもゆかりある人であるというエピソードには驚きと親近感を覚えずにはいられません。
軍事的側面のお話としては、キャンプシュワブが現地人の要望によって設けられた経緯や、当時沖縄には中距離ミサイルとロケットタイプあわせて約200弱の核兵器が共産圏に向けられて配備されていたことなどが紹介されました。我々日本人は、沖縄をはじめとした核の配備を背景として、朝鮮戦争でも冷戦でも大きな戦火に巻き込まれることなく経済的発展を甘受することができたという現実を冷静に受け止めなくてはいけません。
そして今、中国は日本の迷走とアメリカの衰退を尻目に大きくその勢力圏を列島へと伸ばしつつあるわけですが、その第一列島線と第二列島線が海底資源が豊富に賦存すると目される海域をギリギリ囲むように展開されているのだ、という指摘にはなるほどな、さもありなんという思いがしました。
今回参加出来なかった方も、たびたびこのような会は開催されており、私の方でもできる限り知らせていきたいと思います。次回案内時はみなさま奮ってご参加くださいませ。
彼を知り己を知れば百戦殆うからず