護国神社-春季大祭

私の恒例行事がやってまいりました。護国神社春季大祭への参加です。
「わたしの」などと書いてしまいましたが、限定する方がむしろおかしい。公職にある方は当然として、できるだけ多くの県民にご参加いただきたいと切にお願い申し上げます。

今年で戦後70年になりますが、遺族会のみなさまも高齢化がすすみ、世代はすでに子や孫にうつっているそうです。世代がかわればどうしても感心が遠のいてしまい、遺族会の数は減少するばかり。護国神社は遺族会のメンバーを中心とした崇敬神社でありますから、資金面で大変ご苦労されているようにお伺いしております。日本を守るために散華された英霊の御霊を祀る本神社が、存続できなくなるようなことはあってはなりません。他県には護国神社奉賛を目的とした公益財団法人を設立しているところもあるとのことですから、目下の課題を片付けましたら、これらを参考に打開策を考えてみたいと思います。

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今年の春季大祭は例年にない厳粛さがあったように思います。司会の新川さんのがんばりをはじめとして、別役宮司の素晴らしい祝詞奏上。耳を傾けているうちに、若くして命を落とされた方々への哀悼、彼らの遺志を十分に継ぐことができていないことへの申し訳無さなど、様々な思いが去来し、気がつけば磬折(けいせつ)の最中に床に涙をこぼしていたのでありました。しかし普段と何かが違うという感覚、きっと私以外にも共有されていらっしゃる方がいたと思います。献幣使の祭文奏上は、言葉と言葉の間の絶妙な加減によって、私の耳を捉えて離しません。言霊の力に魅せられたとでも言うべきでしょうか。市長代理の副市長の追悼の辞も、後半感極まって言葉にかすかな震えがあったように思います。さらに祭典中は、拝殿のあまりの静謐さゆえに、山の下を走る車の音が騒々しく聞こえたほどです。
なんと形容すればよいか、英霊を追悼するにふさわしく、場が整っている感じがしたと言うのが適当か。

祭典を一通り終えると、まるで申し合わせたかのように雨が降り始めました。雨に打たれて舞い散る桜も美しく、参列くださった方々に応えているかのようでした。大東亜戦争敗戦から70年の節目ということも心情に影響を及ぼしているのかもしれませんね・・・

今春も本祭典に参列させていただき、つつがなく終えることができましたことを大変嬉しく思います。国のために尊い犠牲となられたご英霊の御霊に、尊崇の念をもって慎んで哀悼の誠をささげます。

土佐神社-月次祭 と最近気になる物

世間一般では、4月1日はエイプリルフールの日として認知され、話題となり注目を集めたい企業や個人さんが、その身を削ってネタ作りにいそしむのが慣例となっているようです。

私にとっての今年の4月1日は、土佐神社月次祭へはじめての出席の日。あいにくのお天気ではありましたが桜の咲き誇る参道を横目に到着!入蜻蛉形式の土佐神社の拝殿にあがらせていただきました。

月次祭とは何するものかと言いますと、国家安泰と天皇の弥栄を祈念するものです。わずか30分ほどのお祀りです。興味のある方は月の1日9時45分頃に、土佐神社までお越しくださいませ。どなたでも参列することができます。

ここ2,3日は神社に縁のある日が続きます。明日(すでに今日)は護国神社の春季大祭に出席。明後日の朝も土佐神社で一仕事。ありがたいかぎりです。

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さて、最近気になる話題についても触れたいと思います。
昨年あたりからよく耳にするようになりました、セルロースナノファイバーという素材についてご紹介します。植物から得られるこの素材は、CNF、BNFなどと呼ばれています。以下CNF。細かな解説は以下の動画を御覧ください(音あり)。

[youtube]https://www.youtube.com/watch?v=JQT7XfYP87w[/youtube]

鉄の1/5の軽さで5倍の強度、プラスチックよりも熱に強く、ガラスよりも曲げが効くって何かすごそうですね。
さらに私が胸踊らされる理由は、その原材料が木材(植物)から調達可能という点。
木材の建築材としての需要が減少しつつある今日、木材の新しい活用方法を見出せるかいなかは、地方の中山間・過疎地域にとって死活問題です。現在本県では、CLTや木質バイオマス発電などで(古くて)新しい木材の活用方法を確立しようとしていますが、まだパンチが足りないとの思いがしておりました。しかし、CNF実用化の暁には、山の衰退の問題が抜本的に解決されるのではないかと期待が膨らみますね。なんせ身の回りにあふれかえる化石燃料由来のプラスチックや金属の製品、これらがCNFに置き換え可能となれば、山にいったいどれだけの引き合いがあることか・・・環境にもやさしいはず。

実用化に向けて解決しなければならない課題もあります。定番ではありますが、量産化技術の確立、関連して生産コスト低減の課題を乗り越えなくてはならないようです。

高知県でも、本年度予算に紙産業技術センターに高性能機械導入のための予算を計上していたので、ひょっとしてCNF絡みかなと期待をしてしまいました。説明を聞いてみると高性能不織布製造装置導入のための予算ということで少し肩透かしを食らった気分。もちろん不織布も大切ですよ!

というわけで私の最近思いは、民間企業との連携の下、本県でCNF実用化に向けた取組みができないだろうか?というもの。静岡では県が相当力をいれて取組みをはじめていますが、これに追いつきたいですね。私も引き続きお仕事させていただけるようでしたら、本件について積極的に調査・提案を行っていきたいと考えております。

海上自衛隊艦船入港

昨日は海上自衛隊、護衛艦くらま、練習艦しらゆき、練習艦せとゆきが高知新港に入港するにあたり、歓迎セレモニーに出席をいたしました。夜は引き続き歓迎レセプションにも参加。

非常に慌ただしい時節ではありますがそれはそれ。日本の国土と国民の生命、財産を守ってくださっている自衛隊の方々が、呼びかけに応えてわざわざ高知に寄港するとなれば、敬意と感謝の気持ちを持って歓迎したく足を運んだ次第です。

今日は練習艦せとゆきの一般公開も行われるとのことですから、お時間の許す方はぜひ高知新港に足を運んで頂ければと思います。詳細は下記ページにて。
自衛隊高知地方協力本部

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いろいろな方から記事は短くするようにとご指導受けておりますが、書けるとき、書きたくなる時の出会いというものも貴重であります。せっかくのことですから長文になることをご容赦頂ければと思います。

去る21日春分の日は単なる祝日ではなくお彼岸の日でもありました。
お彼岸とは先祖や亡き人を思い返し、感謝の念を捧げる日本の伝統的仏事ですね。私も旧吾北村は清水上分の郷里を訪ねて墓参りをしてきました。すっかり荒れ果ててしまった郷里の状況に、ご先祖様や祖父母に対して申し訳ないとの思いで一杯です。

その後、郷里を懐かしく思い友人の家を訪ねたところ、その家の前には心安らぐ景色がありました。右側に隣接して人家があります。撮影家の技量の問題か、きちんと趣を伝えることができないかもしれませんが、そこは読者の想像力で補完していただければ幸いです。この景色の中でに日本の心が育まれてきたように思います。我々が守るべきものです。

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総決起大会

西内たかずみ総決起大会を開催いたします。

「あなたと変える、高知が変わる。」のキャッチフレーズの下、これからの高知のために本当にしなければならないことを訴えさせて頂きます。お誘い合わせの上、ご来臨頂ければ幸いです。

日時:平成27年3月19日午後7時
場所:サンピアセリーズ

練習艦しまゆき

昨日は練習艦しまゆきの入港セレモニー、歓迎レセプションに参加をいたしました。本日は16時まで見学を受け付けているそうです!ご興味あります方はぜひ 高知新港までお越しくださいませ。

聞くところによると、練習艦とはいえ一ヶ月で実戦投入できるように訓練を積んでいるとのこと。冷戦時代には、ロシアの潜水艦を追い払う役目を負っており、スクリュー音を消すための装置などが搭載されているそうです。

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和の住まい推進リレーシンポジウム

津野町、酒蔵ホール「葉山の蔵」で開催されております「和の住まい推進リレーシンポジウム」に参加しています。

地域おこしで有名なセーラ・マリ・カミングスさん、高知在住手漉き和紙作家のロギール・アウテンボーガルトさん、釣りバカ日誌の主人公モデルの黒笹さん、NPO高知文化財研究所の溝渕さんをパネラーに迎え、さらには農林水産、国土交通、文科の講演をいただいて和の文化、住まいの素晴らしさについて勉強中です。

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雑感:昨年を振り返って

本来ならば昨年中に書いておくべき記事ですが筆不精だけあって今日までかかった次第です。
本サイトの読者の皆様、改めまして今年もよろしくお願い致します。

さて、昨年の印象的なできごとは何かと聞かれれば、集団的自衛権行使に関する内閣の解釈変更がまっさきに挙げられます。自衛隊が発足した日と同じ、7月1日に閣議決定されたと記憶しております。これについては過去に関連記事をあげましたので省略

つぎに本県を襲った集中豪雨。私の住まう一宮地域しなね川もあわや決壊直前まで水嵩が増しました。土佐山のがけ崩れなどの直接的被害だけでなく、観光、農業、漁業などの様々な分野において間接的経済的被害が生じました。とはいえ他県と比較すると被害は比較的小規模であり、その原因を探れば先人による公共投資の賜物であることがわかります。異常気象という言葉が使われすぎて、いったいどのあたりから異常なのかわからなくなってしまったこのごろですが、もし異常事態が起きているのであるとすれば、その原因が温暖化現象由来なのか、それとも実は間氷期から氷期に移行しつつあることに求められるのか、個人的には大変気になります。

次に水素化社会の到来。燃料電池の普及によって水素化社会が訪れるとは昨今の新聞・報道等でよく目にするところです。詳細については前に記事にしてありますのでそちらをご覧ください。あとは優秀な二次電池が開発されれば・・・

次に最新の住宅建築事情。これは世間一般のニュースというよりは個人的興味に属するお話です。とりあえず建てるというステージから、耐震性、さらにはリフォームなどと業界もいろいろと工夫を重ねてきました。最近では長期優良住宅、さらには省エネ、健康省エネとさらに変化を遂げました。省エネの流れを受けて、住宅の断熱性・気密性が高まりました。最新の住宅に行ってみると、冬場にもかかわらず廊下と今の温度がほとんど変わりないことに驚かされます。とあるモデルルームではたった一台のエアコンで一階全体の温度をコントロールしていました。一方で気密性の高さゆえの副作用もあって、建築途中で使われた接着剤や溶剤などに含まれる化学物質が住人に健康被害をもたらすということで社会問題にもなりました。現在はこの問題に対処するために室内換気システムを導入することとされています。この換気システムにも一工夫あって、室内の湿度や温度を一定に保つことのできるものもあるそうです。

次にSTAP細胞。一連の騒動を知らないものはいないでしょう。非常に注目度の高い分野においてこのような騒動が起きたことは大変残念でなりません。見方を変えれば、注目度が高いからこそこれほど騒動になったともいえるかもしれませんね。自分が大学院で研究していたころの経験からいうと、iPSはじめ関連研究はリスクが高いと見做されて、しばらくは後進の研究者が続かないかもしれません。世界に遅れをとるようなことになりませんように・・・

次に整備新幹線の試算。高知をはじめ四国に新幹線を引いた場合のコストは?採算とれるのか?そういったことについて検討が行われました。今のスケジュールのままですと実際に走り始めるのは40年先のようです・・・

ほかにもあったかもしれませんが、すぐに思いついたものを並べてみました。

 

最後に12月23日、天皇誕生日を祝う高知県民の会で行われたオ・ソンファ(呉善花 )先生の講演をご紹介したいと思います。彼女は日本に30年ほど滞在をしている大の親日家であり、その筋に詳しい人ならば著書もいくつか手に取られたこともあるでしょう。昨年には母国の韓国に親日的であるという理由で入国拒否されたことでも有名な方です。

話のテーマは日本と韓国の違いについて。私の感じた結論から言うと、なかなかわかりあえないということがよく理解できました。彼女によると、日本と韓国にまたがる昨今の歴史・領土問題については話し合いによって歩み寄りのできる点を探るべきだと声が日本の自称識者から寄せられるが、そのようなことは意味がないとのこと。その根本の原因は風土・歴史・文化とそれらによってはぐくまれた精神性に求められるのだという。

たとえば日本人が自然との調和を大切にし、そこからはぐくまれたワビ・サビ、もののあはれという感覚を持つ。

一方韓国人は、歴史上常に大国と隣接してきたこと、厳しい自然環境、儒教の強い影響等を受けて「恨(ハン)」の精神を持つのだという。

ハンとはwikiによると朝鮮文化における思考様式の一つで、感情的なしこりや、痛恨、悲哀、無常観をさす朝鮮語の概念とのこと。ハンが形成された背景には行き過ぎた上下関係とその関係を維持するための行き過ぎた儒教が存在している。こういったことから、韓国人は完全性、完全なる美しさにこだわるのだという。その典型が、韓国で蔓延する整形ブームにあらわれている。

日本との比較で言えば、秋の落葉を迎えた一本の木を前にして、日本人ならばものさみしさを感じ、はかなさやうつろいやすさに感動するところ、韓国人ならば縁起の悪いもの、汚いものとして忌避するのである。だからというべきか韓国では造花が大変好まれる。完全美でなくてはいけないのでる。

また、完全性を好む韓国人は、日本人にはとうてい受け入れがたい、理解しがたい気性を有する。それは自分たちの完全性がゆるぎないものであるために、自分たちには一切の非がない、あってはならないとする気性である。そのような彼らに都合の悪いことが降りかかれば、その原因はいついかなるときも外部、他者に求められるのである。

したがって韓国が日本に対して歴史的・領土的いちゃもんや、それに関する謝罪を要求する場合、彼らは心底自身の正しさを信じているし、たとえ間違いがあったとしてもそれを認めることは絶対にありえない。果たして、彼らと妥協点を見出すための交渉をすることにどれほどの意味があるだろうかと思わずにはいられない。彼らにとって外部に常に悪者がいることは都合が良く、その意味において日本は大変良い受け皿であり、またたとえどんな謝罪をしようとも未来永劫(万が一非があるとすれば)赦されることはないのである。

この彼らの性格と韓国のイ・ミョンバク大統領もたらされた事件は無関係ではない。彼らの求める完全性、完全なる美をそなえつつ、韓国人を導く存在こそが大統領でなくてはならない。韓国人にとって、かつてイ・ミョンバクはこのうえなく美しく清い聖女とも言える存在であった。その彼女の不倫情報を産経新聞韓国支局がすっぱ抜いたのだからこれを許すはずがない。自身の清らかさ否定するものが現れたならば、それは韓国社会の在り方から言って、彼女の政治生命に致命傷を与えるものとなる。だから彼女はいかなる手段を用いても産経新聞韓国支局を屈服させなければならなかった。

なるほど、今まで不可解であった韓国人の挙動について納得できるお話ばかりである。こういった韓国人論が世間一般に認知され、お互いにわかりあえないことがわかれば、二国間の様々な課題は、感傷論・感情論を抜きにして利害だけを基準にした純粋な外交交渉として処理することができるようになるかもしれない。

最後にオ・ソンファ先生はどのようにして親日的になりえたかというお話。彼女が言うのには、一般的な韓国人留学生は、滞在3年目にして、日本のことが理解できなくなり、母国に帰り日本を否定的な論調で語るようになるのだと言う。1年目は日本人の親切さ、街の清潔さなどたくさんの目新しい要素にすっかり魅せられる。2年、3年と日本語を解し、ある程度日本の文化に深く触れるようになったときに、母国の文化とのギャップに驚き悩まされる。たとえば日本人は、外部の人間から会社に電話がかかってきた場合、上司に対する問い合わせであっても、身内には決して尊敬語を使うことはない。「○○は不在です」しかし、徹底した儒教国家の韓国では、上司はや身内は絶対に敬うべき存在なのである。電話では「○○社長はいらっしゃいません」と対応することになる。ほかにも脱いだ靴をどのように揃えるかという点にも違いがある。日本人は脱いだ靴のかかと側を屋内に向けて揃え直すのがマナーである。韓国ではつま先を屋内に向けるのが一般的で、かかと側を屋内に向けて揃えるものがいるとすればそれは家人で、来訪者にできるだけ早く帰ってもらいたいことをほのめかすためのサインだ。多くの韓国人が日本でないがしろにされていると感じてしまうのである。我々も彼らのことを自身の文化の延長線上で計ることにより、わかったような気、わかりあえるような気になるが、そのぎゃくもまたしかりということである。韓国人もようは彼らの文化的尺度の延長線上において日本人の振る舞いを解釈してしまう。

オ・ソンファ先生も、3年目には日本を失意のうちに立ち去り、ヨーロッパに退避をする。しかし、もう一度日本を訪ねた際に、韓国内で培われた日本に対する常識、偏見ともいうべきものを完全に捨て去り、さらには自国の常識すらも持ち出すことなく、あるがままを理解するよう努めることとした。そうする中で、日本の自然・風土によってはぐくまれた文化や歴史、そこに育まれた日本人の精神性を理解し、愛するようになったとのことである。

彼女の使命は、母国の韓国人に正しい日本理解をしてもらうことと言っていた。大変ありがたい話であると思う反面、彼女の本が韓国で韓国語にて発売される日がいつか来るのだろうかと、悩ましい気持ちにもなる。

新年明けましておめでとうございます

新年明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致しますm(_ _)m
今朝は高知城にて日の丸の掲揚を行いました。時折舞い散る雪と心地よい朝日の中、君が代斉唱にあわせて昇る日の丸には大変な清々しさを感じました。次は土佐神社の新年祭に参加します。

昨年を振り返り雑感その2を書こうと思いながらまだ取り掛かれておりません。今しばらくお待ち下さい

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雑感

実に久しぶりの更新ですね。
アクセスログを見ると、12月2日は普段よりたくさんの方が当サイトを訪問してくれていました。
衆議院選挙の告示日でもありますし、何かコメントをするのではないかと期待してくださったのでしょう。私はどうしていたかと言うと、公職選挙法が改正されてインターネットの利用がどのように制限されたのか検討がつかなくて、書くにかけないなぁなどと思いつつ、選挙のお手伝いをしていたのでした。ご期待くださっていたみなさん、申し訳ありません。

さて、まず時節柄コメントすべき内容は今回の衆議院選挙についてであろうと思います。
私は政治的に極めて上手な解散総選挙だなぁと感じていました。嘘じゃないですよ!西内健さんに確認してみてください(笑)
解散当初は、争点がわからないとかいろいろ批判がありました。自分なりに理解しようと安倍さんの胸中は如何に?と勘繰ってはみますが、所詮は他人ですから分かる筈もありません。そこで、この国にとっていま一番必要とされていること、つまり国益に繋がることはなにかと問いかけます。日本の首相、日本の課題、前者はころころ交代して、後者は山積と解くことができるわけで、そこから今日本に必要なことは長期の安定政権(内閣)を作ることであろうと結論しました。

安倍さんも1次内閣の時のことは痛切に反省をしていると思います。当時も様々なマイナス要素が噴出をしましたが、その際に安倍さんはとにかく強引に走りぬくことを選択しました。結果、足元が崩れてしまって、志半ばで政権を離れなくてはならなくなったのでした。もちろん直接的には持病が原因ではありますが・・・

ということで今回はどうしても長期政権にしなければならないわけです。そのためには早速追求された政治と金のスキャンダル問題の禊ぎを、さっさと済ませてしまう必要があった。そもそも解散しなければならなくなって解散したのでは、内閣を維持しかねますからね。

安倍さんには長く首相を続けて頂きたいですね、長く続けることが国益にかなう。だからこのタイミングの選挙とはよくやったもんだと感心しています。

 

一応本人が、解散の理由を説明していますのでその点にも触れておきましょう。解散で信を問うは主に2点についてとのことです。

  • アベノミクスの評価
  • 消費税増税先送りの是非

よく巷で、アベノミクスと消費税5→8%の功罪を混同した話がされていますが、これは正しく世の中を理解するためにも分けて考えるべきだと思います。まずアベノミクスのゴールが雇用を増やすとともに賃金を増やすことであるとする。雇用拡大と経済指標を見れば、一定進捗していると評価することができます。株価や企業の倒産件数の減少はもちろんのこと、高知でも税務署の報告では法人税が大幅に増えましたし、有効求人倍率も0.84超えの高い水準を保っています。では賃金はどうなのか?今年度、中小企業の3分の2が賃金の引き上げを行いました。名目総雇用者所得は2014年は1.6%のアップとのことです。ポイントは物価上下を考慮した実質総雇用者所得がアップしたかですが、消費税要因を考慮しなければプラス圏にあります。

以上より、アベノミクスはある程度成果を出していると言えると思います。

しかしここで問題となるのが、消費税要因を考慮した実質総雇用者所得です。5→8%の引き上げによって物価は高騰し、実質総雇用者所得は5月以降、前年同月比マイナスで推移しています。これでは実質上の給料減です。さらに言うならば、高知の中小企業においては、そもそも4月に賃金引き上げを行わなかった事業所も多いことでしょう。冷え込みが長かった分、また、2015年秋に8→10%が待っているとすれば慎重にならざるを得ないのも頷けます。実感がないだけでなく、消費増税によって生活がますます苦しくなるはずです。以上から自民党が責めを負うべき点があるとすれば、この春早々に消費税率のアップをしたことです。まあ、前年度後半の経済指標からすればなかなか難しい判断ではあろうと思いますが。

以上を踏まえた上で、合点いくのが消費税率8→10%先送りの18ヶ月(2017年4月)という期間の長さです。給料アップの機会がいつ訪れるかと言うと4月。2013年の4月は政権交代後間もないので考慮しないとして、2014年の4月は賃金アップされました。しかしこれでは消費税率8%へのアップによる物価上昇分をカバーしきれなかった。ならば、2015年、2016年、2017年と3回賃金アップの機会を待とうじゃないかというわけです。18ヶ月という期間でもって、高知をはじめるとする地方の中小企業さんの背中を押して、賃金引き上げに踏み切っていただく。もちろん、賃金アップを可能とするための景気の好循環を、政府は維持するべく政策を講じなくてはならないのであります。(消費税そもそも上げなくていいんじゃないかという議論は別に譲ります。)

というわけで、今回の解散では、「アベノミクス」と「消費税増税先送り」の是非について国民に問うているわけです。

 

今日も長々と書いてしまいました。
最後まで粘り強く読んでくださった方のために大変興味深い動画を紹介したいと思います。動画の内容は、上で散々言ってきたこととは相容れない内容ですがご容赦ください。世の中急激に変わるのはとにかく良くないものです。ある程度時間をかけながら、彼の言うところを目指すべきであろうと思います。

[youtube]https://www.youtube.com/watch?v=Q7aJcf_Lexs[/youtube]

門田隆将さん続き~ネット新時代のジャーナリズムを考える 朝日新聞は何に敗れたのか

ようやく終いをつけようとしております。

結論から先に。

ネットの登場によって、イデオロギーによって歪められた報道ができなくなった。朝日新聞はそのことに気付かない限り、凋落を免れないであろう。

といった内容でした。

 

事件のはじまりは吉田調書。
(福島第一原子力発電所事故当時に、福島第一原子力発電所の所長であった吉田昌郎が「東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会」(政府事故調)の聴取に応じた際の記録の通称 wikiより)

朝日新聞社は、政府が非公開としていた「吉田調書」を独自に入手し、5月20日付1面などで「東日本大震災4日後の2011年3月15日朝、福島第一原発にいた東電社員らの9割にあたる約650人が吉田所長の待機命令に違反し、10キロ南の福島第二原発に撤退した」と報じました。ちなみに見出しは「原発所員、命令違反し撤退」です。

門田隆将さんは、「死の淵を見た男」という福島原発事故を題材としたノンフィクション本を出版しています。その記述は、吉田所長はじめ、運転員へのインタビューを脚色なく、また自分の考えを交えることなく記述したもので、非常に資料的価値の高いものとして評価されています。原発事故後に現場で何が起こったかについての第一人者、世界一の専門家といっても差し支えないでしょう。

彼が台湾滞在中の5月20日、日本では朝日新聞によって先述の記事が発表されたのでした。膨大な問い合わせのメールや着信があって、事情を知らな本人は大変驚いたそうです。周りの知らせで経緯を知ると、朝日のオンライン記事にて問題の記事を確認をしました。見出しを見た瞬間に、いつものイデオロギー調で、また大変な誤報だなと思ったそうです。

門田さんによると、日本の報道には真実に基づく報道と、イデオロギーに基づく報道の2タイプがあるそうです。

前者は、取材を積み重ね、ありのままに報道を行い、解釈を受け手側に委ねるものです。後者は、イデオロギーを先行させ、自身の主張を正当化する内容になるよう事実をピックアップして組み立てたものです。
門田隆将さんは、後者の記事を書く記者が自身の正義をゆるぎなく信じているという特徴を捉えて、その症状を自己陶酔型シャッター症候群と命名しました。
たとえば、平和といえば反戦。その主義主張を貫く自分に正義がある。自分カッコイイ!自分の意に沿わない主張をするものは反戦の反対で戦争を推進する輩、平和の敵!右翼!といった風です。

さて話を戻しますが、日本に帰るなり門田さんはブログに朝日新聞の報道は誤報であるとの記事を掲載しました。これを見たネットユーザーから情報が拡散し、大手ブログの紹介サイト?なるところに掲載されると、週刊誌から記事を書いてくれるよう依頼が持ち込まれます。

これを契機として、門田さんは、所長と所員への直接インタビューに照らせば、朝日新聞の件が誤報であることは疑いようがないと、ありとあらゆるメディアに対して説明を行っていきます。その間には、朝日新聞から名誉毀損で訴えるという連絡があったそうです(笑)

そしてある日、某新聞社から吉田調書を手に入れた旨の連絡があります。某新聞社は総力をあげて調書を精査し、朝日新聞の言う「命令違反し撤退」が無いことを確認したのでした。その後吉田調書が各メディアに出回り、それぞれが朝日新聞の報道が誤報であったことを伝えました。朝日新聞が完全に包囲されたような状態に至って、ついに自らの誤りを認め、謝罪を行ったのでした。これが平成26年9月11日のこと。

この後に、朝日新聞井村社長は、社員を激励するために以下のような激励メールを送っていることが明らかとなっています。


 

「長年にわたる朝日新聞ファンや読者や企業、官僚、メディア各社のトップ、ASA幹部の皆さんなど多くの方から、「今回の記事は朝日新聞への信頼をさらに高めた」「理不尽な圧力に絶対に負けるな。とことん応援します」といった激励を頂いております」
「2年前に社長に就任した折から、若い記者が臆することなく問題を報道し続け、読者やASAの皆さんの間にくすぶる漠然とした不安を取り除くためにも、本社の過去の報道にひとつの「けじめ」をつけたうえで、反転攻勢に撃って出る体制を整えるべきだと思っていました。
今回の紙面も揺るぎない姿勢で問題を問い続けるための、朝日新聞の決意表明だと考えております」
「問題を世界に拡げた諸悪の根源は朝日新聞といった誤った情報をまき散らし、反朝日キャンペーンを繰り広げる勢力り断じて屈するわけにはいきません」
「私の決意はみじんもゆらぎません。絶対ぶれません。偏狭なナショナリズムを鼓舞して韓国や中国への敵意をあおる彼らと、歴史の負の部分を直視したうえで互いを尊重し、アジアの近隣諸国との信頼関係を築こうとする私たちと、どちらがこち国益にかなうかなうアプローチなのか


 

門田隆将氏の言う、自己陶酔型シャッター症候群という言葉がこれほどしっくりくるとは・・・恐るべし。自分たちの正義がいささかも揺るがないと考えている。そして、自分たちの意に沿わない人間は、偏狭なナショナリストで中韓との関係を悪化させ、戦争の惨禍を再び招こうとしている危険なやつらだと、レッテル貼りをしているのです。この話を披露した門田氏は、会場にいた人たちに対して、「朝日新聞の言う『彼ら』とは会場にいらっしゃるみなさんのことを言っているのですよ」と戯け、ドッと会場を沸かせていました(笑)私の知る限りでは、本気で戦争を望んでいる人など周りにいませんがな。

さて、事程左様に、巨大マスメディアの朝日新聞が、一人のジャーナリストに屈してしまったのでした。一昔前ならば、大手メディアが何を書こうがやりたい放題だったのですが、情報発信に双方向性を持つネットの登場によってそれができなくなった。それぞれの分野でスペシャリストと言われる人たちがいて、彼らがメディアの過ちをネット上で指摘をすれば、時にそれは大きな流れを起こし、巨人を引き倒してしまうことも可能となったのでした。もしこのことに気付かず、あるいは見て見ぬふりをして、従前どおりイデオロギーに基づく記事を書き続けた場合、その媒体の末路は目も当てられないものとなるでしょう。真実、その特攻 の話と通底するところがありますね。

以下は余談です。

ある日、門田氏のもとに吉田所長が訪ねて来たそうです。吉田所長が言うのには、彼の福島原発について書いた本を読んだ人たちから、門田氏を訪ねるように幾度と無く言われたから、会いに来たとのことでした。その後、病床の吉田所長は、息子に対して門田氏の本を読むように言付けました。「これが現場の真実の声だ」と。

さらに、門田隆将氏は、福島4号機の副所長から聞いた印象深いエピソードについても語ってくれました。この副所長も名を同じく吉田と言うそうです。事故直後ベント開放に行く奴はいないかと吉田所長が聞きました。全電源を喪失した環境下、当然原子炉建屋は真っ暗闇、足場も悪く、また大量の放射線が生じています。死を覚悟した上での作業です。その時に「はい」と手を挙げたのが四号機の吉田副所長その人でした。インタビューの中でなぜ志願をしたのかを尋ねたそうです。吉田副所長が言うのには、「自分は10年前に東京電力に技術者として入社した。自分が最初に担当した炉が1号機であった。つまり自分という技術者の育ての親が1号機であったのであり、そのことに心から感謝をしている。そして、もう1つ。原子炉にもそれぞれ性格がある。優しいやつもいれば、気性の荒いやつもいて、それぞれ違うのだ。1号機はじゃじゃ馬だけれども、本当は心根の優しいやつなんだ。その優しく、育ての親でもある1号機が原因で、日本をダメにしてしまうかもしれない状況にいてもたってもいられなかった。だから私はそれを止めるために志願をしたのだ。」

 

福島原発だけでなく特攻もしかり、各々の時代に、家族のため、祖国のために命を賭した人がいて、お陰様で今日の私達があるわけです。その積み重ねが伝統や文化を織り成し、さらには精神や血肉となって日本人を形づくる。今日においても、先人同様に自身の命を賭して、世のため人のために次代のために尽くす人がいることに何の不思議があろうか。