砕氷船しらせ入港

高知新港に砕氷船しらせが入港しました!一般公開は28-29日の09:00-15:00です。ぜひ見学にお越しください。駐車スペース500台ありますが、08:30より高知駅からシャトルバスも出ておりますのでご利用くださいませ。

砕氷船しらせ
基準排水量: 12,650トン 最大速力: 19ノット
軸出力: 30,000馬力 ディーゼル電気推進
乗組員約175名、観測隊員等80名
大型ヘリCH-101 2機搭載
就役: 平成21年5月

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砕氷船しらせは文部科学省所属、海上自衛隊運用の艦船で、主たる役目は昭和基地およびその周辺海域にて展開される南極地域観測の支援です。具体的には、昭和基地への人員と物資の搬送やその途上における環境モニタリングを行います。

しらせの砕氷能力は、氷厚1.5メートルの平坦海域であれば3ノットで連続砕氷可能とのこと。また、氷厚が1.5メートルをら超える場合は、助走距離を200〜300メートル確保し、最大馬力で氷に体当たりするとともに氷に乗り上げ、艦の自重で氷を砕きます。

砕氷船しらせの高知への寄港は、平成10年の初代しらせを含めて二度目になります。前回は各地より一万人が見学に訪れたそうです。先ほど見学をさせていただきましたが、一見の価値ありですね!

オーストリア視察-その3

連番を振ってしまったからには書かないわけにはいかない!?

9月16日
ついに視察初日に辿り着きました。感慨深いものがあります。
ホテルの朝食はビュッフェ形式、ホテルはどこものこの形式ですね。6時半からパパッと仕上げるとお隣のシェーンブルン宮殿に散歩に向かいます。実はこの時、となりにあるのは只のだだっ広い公園だと思っていました。

公園に足を進めたは良いものの向かいの道に終わりが見えません。また植林の枝葉を使った幾何学的な意匠に圧倒させられていたところに飛び込んできたのがシェーンブルン宮殿でした。

あっと言う間に出発の時間、一時間は歩いたかな?部屋をまとめてホテルのロビーに向かいます。
通訳のエヴァさんがすでにスタンバイしており、全員が揃うとすぐそばの地下鉄の駅に向かうのでした。

U-Bahn_Wienホテル最寄りの駅がHietzing、緑のU4の西端から5駅目です。一行はLandstraβe駅のU3線乗り換えで東端のSimmeringを目指します。市内の主要な公共交通は公営であることから、バス、トラム(路面電車)、地下鉄を問わず同じ切符で相互乗り入れが可能です。切符は乗車可能時間や距離によって様々な種類がありますが、現地の方は年間定期(350ユーロくらい?)を所持するのが一般的とのことでした。私達は24時間使える切符を買いました。改札にはスタンプマシンが2個設置されているだけで出入りは自由自在。無賃乗車対策は抜き打ちのチェックによって行っているそうです。違反時のペナルティが厳しいらしい。

Simmeringの駅に到着すると路線バスに搭乗、もちろん切符は一日同じものを使います。5分も揺られると目的地と思しき大きなプラントと2本の煙突が見えてきました。敷地入口が見つからず20分ほど彷徨ってしまいました。

[Vienna-Simmering Biomass Power Plant]
IMG_4415インストラクターはボランティアのハッカー氏。懇切丁寧にお話をしてくださいますが、どちらかと言うとプラントの技術面にウェイトが寄っていましたが、一行の興味は残念ながら金銭はじめ運営面にあるのでした。いろいろと申し訳ありませんでした。

さて、このプラントはもともと他の用途に利用されていたものを改築して現在に至っているようです。敷地内にはガスコンバインドサイクルの発電機が3基と、バイオマス発電機が1基設置されています。

<概要>
2001年計画、2006年運転
プラントの構成: 燃料置場、サイズ超過の材や金属の除去装置、燃料サイロ、CFBボイラー、窒素収集触媒、復水タービン、ガス浄化装置
プラント出力: 66Mw
うち 発電: max 24.5MW 熱供給: max 37.0 MW
熱利用効率: 平均50% (夏37%、冬80%)
燃料: 含水率42% 木質チップ(ブナ7割、トウヒ3割)、供給圏半径50-80km(国内(7割)および国外(3割)チェコ、スロバキア、ハンガリー含む)
稼働時間: 年8000時間
燃料消費量: 75㎥/h消費(24トン相当) つまり600,000㎥/年
補助金: 施設にEUおよびオーストリア政府
売電価格: 市場価格の3倍、約10.5セント/kw 円換算で約13円/kWh、但し13年間の2019年まで
年間熱供給総量: 平均167GWh
燃料保管用サイロサイズ: 7,500㎥  チップの保管期限が4日 24hrs/day × 4 days × 75㎥/hrs

ウィーン市内(人口171.3万人)の電力需要量に対する当バイオマスプラントの寄与率は2%弱、ガスコンバインドサイクルの合計発電容量が1100MWであることを併せて考えると都市部のミドル電源にすらなりえないなぁというのが正直な感想。燃料となるチップ材供給の物理的限界を考えると、木質バイオマス発電はもう少し小規模な地域への熱電併給のために利用するほうがベターだろう。ちなみに発電出力24.5MWというのは、高知県で建設予定のものの約4倍に相当する。燃料チップは、発電所から5kmほど離れたドナウ川の河川敷周辺に集められた丸太からチッパー(350㎥/h)で作成。そこから一日あたり30台のトラック(95㎥)で搬送しているとのこと。国内供給の7割は、プラント運営会社の共同出資者でもあるオーストリア森林管理局株式会社(国有林を管理)から調達。フライアッシュ(燃焼灰)は粒度により用途が分かれているようで、一番粗い物は舗装材などに混ぜて、細かいものは自然に返して(埋めて)いるそうです。

しかし日本の半分程度の売電価格とは恐れ入りました。固定価格買取制度の継続年限終了後、2019年以降のプラント運営が問題になるとのお話でしたがさもありなん。しかし、夏と冬の熱利用効率に加えて、夏の発電量が24MW対して冬が14MW(わざと絞ってる)であることを考慮すると、Simmeringの条件下ではさっさと発電やめて熱供給だけに絞ったほうが良いなぁと運営は考えているようです。

 

Simmeringの視察を終えて一行はオーストリアの環境省に向かいます。30分ほど時間があったので昼食をと、環境省前の城壁?という名前の食事処に寄りました。日替わり定食を頼むとカツレツが出てきました。店の名前が旧市街を取り囲んでいた城壁に由来するものだそうです。

環境省ではお二人の方から挨拶と説明をいただきました。話の内容はオーストリアのエネルギー政策の現況とこれから、考え方についてです。(この部分については資料が届き次第追記します。たしか投資効果なども定量的評価を行っていたと思います。)

140環境省を出た後は再度地下鉄を利用してホテルへ。
ホテルではAUSTRIAN ENERGY AGENCYのガーター・パウリッシュ氏を迎えて三度エネルギー政策についての勉強です。会場にはホテルの喫茶店を利用しました。
AUSTRIAN ENERGY AGENCYは日本風に言えばエネルギー協議会のようなもので、構成メンバーは政府系組織・自治体・公営企業・民間企業と多岐に及びます。

レクチャーの内容については上のギャラリーに基づいてお話します。(図01) オーストリアと日本の比較からはじまりますが、太字の部分が彼が強調したいところ。まず原子力発電はありません、森林率は日本よりも低いですが、ヨーロッパで最も高い47.2%を誇っている。バイオマスからエネルギーを213.1ペタジュール得ていることがわかります。読む側としては、オーストリアはバイオマスエネルギーに力入れてがんばってますねと受け取ればいいと思います。
図02は、EU27ヶ国の目標に関するお話です。RES (=Renewable Energy System) は再生可能エネルギー(1人あたりGDPによる補正有)と読み替えていただいて、その2005年時点のシェアを2020年には図のようにするというお約束をしたという話です。ATがAustriaで、23.3%を40%に引き上げると書いてあります。
図03はオーストリアエネルギー政策の3つの柱について書かれています。

  • 再生可能エネルギー
  • エネルギー効率
  • エネルギーの安定供給(安全保障)

図04はエネルギー需要の将来予測。単位はペタジュール。オーストリア政府は、2020年までエネルギー消費量を増やさないと言っています。経済活動の拡大によって純増すべき部分はエネルギー効率を上げることによって圧縮し、さらには再生可能エネルギーの比率を24.4%から34%に引き上げます。
図05は全エネルギー消費量における再生可能エネルギー由来の占める割合。一般にエネルギーと言った場合は、電気だけでなく熱利用なども含みますので気をつけて読む必要があります。再生可能エネルギーが29.3%を占めており、さらにその内訳は58.9%がバイオマス由来、36.6%が水力由来とのことです。
図06は図05の再生可能エネルギー分の詳細です。単位はテラWhです。1Wh=3600J
図07は2010年、新規に導入された再生可能エネルギー発電の内訳です。数値にコンマを打っていますが、セミコロンに置き換えていただければ読めると思います。伸びは水力がダントツで、火力がこれに続きます。
図08は水力のうち流れを利用したタイプを紹介しています。これだけ大規模のものは、水量の多いドナウ川あってのお話ですね。
図09はオーストリアの電源構成です。ほとんどが水力を占めていると言いたいのだと思います。が、そういうことであれば高度成長期までは日本も同じようなもので、解釈するとなれば経済規模や産業構造等の要素抜きには語れない部分です。ですので数字の通り読めばいいと思います。
図10、オーストリアの高圧送電網と変電所について書かれた図です。日本人が読むときには、隣国につながっているところに着目すべきです。あとやはりこちらでも系統接続の問題(発電所の発電能力と送電線の容量上限から生じる接続に関する種々の問題)はあるとの答弁をいただきました。
図11は、政府の政策的支援のもとで2012年はどのように新規に再生可能エネルギーが導入されているか表しています。風力が躍進しています。
図12は図11の導入量を受けて、実際に生成されたエネルギー量はどうかについて、構成別に書かれています。
図13は売電価格の推移を表したものです。水力以外のすべての電力源が補助金に依って成り立っています。
図14は、再生可能エネルギー推進によって、各段階でどれだけの雇用が発生しているかを表しています。赤が開発段階、緑が運営段階で生じている雇用をそれぞれ表しています。

資料と説明的にはオーストリア環境省の説明と重複する部分がありましたが、確認もできて大変勉強になりました。

説明が終わりますとみんなでイタリアンレストランに向かうことになりました。途中で雨に降られましたが、これはきっと歓迎の雨・・・

オーストリア視察-その2

さて、本題に入る前にオーストリアの概略について説明します。

人口: 836万人 面積:83,870k㎡ 公用語:ドイツ語
GDP:2,822億ユーロ/年(今のレートで36兆円くらい?)
主要産業:自動車産業および鉄鋼業
森林面積:約4百万ha 森林率:47.2%

人口は大阪府程度、面積は北海道よりやや大きい程度です。かついてはハプスブルク家が統治しており、全盛期には、今のスペインや、イタリア、シチリア、ボヘミア、ハンガリーや東欧までもを領地として支配していました。広いですねえ。GDPは愛知県(2010)とほぼ同程度です。国土は東西に長く、その形状は東向きに進む筋斗雲といえばイメージできるでしょうか?領地のやや北寄りを東から西に縦断するようにドナウ川が流れています。森林面積は北海道の7割です。アルプスが国土の62%を占め、東はなだらかな平野部ですが西に進むほど山が険しくなるといった特徴があります。

ちなみに中西哲県議が詳しい視察記事を公開済みですので、そちらも併せてご覧ください。
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9月15日
関西国際空港を10時過ぎに出発しました。
KLM航空の航空機に搭乗し、約11時間のフライトを経てオランダのアムステルダム空港に到着。正直もうこの時点でヘロヘロ、足はむくんで睡魔に襲われていました。
トランジットのために同空港にて2時間を過ごした後に、さらにKLM航空のオーストリア行きに搭乗。夜の19時過ぎ(現地時間)についに悲願達成、ウィーン空港に無事降り立つことができました。
日本時間でおよそ3時・・・、眠いはずですね。

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856空港にて今回の旅のコーディネーター兼通訳者、エヴァ・ハイブさんと無事に合流すると、一行はジャンボタクシーに搭乗してホテルへ。車窓から見える景色は市街地に近づくに従い目まぐるしく変化します。空港を出て間もない頃は恐ろしくなだらかな起伏をもった大地に牧草(多分)が繁茂するだけだったのに、(新)市街地が近づくにつれどこでも見掛けるようなコンクリート構造物が軒を連ねるようになりました。中心部に近づくと、旧市街ならではのバロック調の過剰装飾が施された中層構造物が文字通り連続して立ち並びます。なぜ彼らは建物間に隙間を作らなかったのだろう・・・寒いからかななどと考えたものです。寒さといえば、オーストリアは北海道と同じくらいの緯度にあって、冬の気温は当然氷点下、夏でも最高26,27度までしかあがりません。したがって旧市街の古めかし建物には必ず暖炉と煙突が備えられているのです。

さて、そうこうしているうちにホテル『Austria Tend Parkhotel Schonbrunn』に到着しました。すぐ向かいには、ハプスブルク王朝の歴代君主が離宮として利用したシェーンブルン宮殿が鎮座しており、ホテルはかつてその迎賓館として利用されていたそうです。ホテルのエントランス横には、エジソンが同宮殿の電気配線工事した時にここに泊まりました的な案内板がありました。

IMG_1709部屋に空きがあるということで宿泊費の変更なくグレードの高い部屋に案内されました。朝食別で一泊105ユーロ程度だったと思います。写真には写っていませんが、左側にはムダに広いバスルームがあります。天井も高い家具も格調高い、きっと光熱費も高い、日本のビジネスホテルとは大違い、こんなんで経営大丈夫なのかなと心配になってしまいました。おおよそ、同じ建物を更新することなく何百年と使っているので、ストックがある分安く提供できるのだろうと勝手に結論。デメリットは当然あって、当時の建築規格内で今日的機材を導入しなければならないわけで、非常階段などは見当たらないしエレベーターも極めて狭く作らなくてはいけないようでした。2,3人で手狭になるエレベーターは問題だと思う(笑)

さて、そのあと近くのご当地居酒屋で晩ご飯を済ませて、現地時間の12時過ぎに就寝しました。起きたのは4時…時差で寝たくても寝られません。

(その3に続く)

前半でこんなに作文を頑張ってしまうと、肝心のところがヘタってしまいそうで心配です。

オーストリア視察-その1

オーストリア視察について順に掲載します。

9月14日

オーストリア視察に出発する日です。目的はCLT (Cross Laminated Timber) と再生可能エネルギーについて見聞を深めることにあります。CLTについては、本県の高知おおとよ製材で生産予定であり、また再生可能エネルギーについては仁井田と宿毛で木質バイオマス発電プラントが稼動予定です。オーストリアは両取組の先進国であることから、ぜひともこれを見てみたいという中西県議の発案から今回の視察が実現しました。

CLTもバイオマス発電も名前は聞いたことがあるけれど…といった人のために簡単に解説をします。

CLTとはクロスラミネイティッドティンバーの略称で一種の集成材・合板です。一般的な集成材は個々の板材を平行に張り合わせて作成しますが、CLTは同様の板材の2層目以降をそれぞれ90度回転させて重ねることによって作成します。ゆえに個々の板材の持つ歪みや強度といった性質がある程度均質化されます(従って、これまで材料にできなかった品質の低い板材も利用可能です)。これは品質が厳しく問われる工業製品にとって非常に重要な性質です。まあ、合板(ベニヤなど)ですでに実現してるじゃないかと言われればそうなんですが。このCLTですが、強度も高く壁材に使うことで中層建築物も作成することが可能です。
(国交省参考リンク)

もう一つの木質バイオマス発電について説明します。これは至ってシンプル。木を燃やして水を加温・加圧し、タービンを回転させることで発電を行います。既存の原子力や火力とやっていることは変わりません。なぜいままで行われていなかったのかというと、既存の発電コストよりも高くつくためです。電力の固定価格買取制度(F.I.T)の導入により、電力会社が20年間、電気を特別に高値で購入することが義務付けられたために経済性が高まりました。古くて新しい木材の利用方法として日本各地で導入が検討されています。

さて、どちらも共通するのは木材を利用するという点です。高知県は84%の森林率ですが、昨今は材価の低迷により林業業界とそれを支える中山間が疲弊の一途を辿っています。ここにCLTや木質バイオマスといった新しい木材の利用方法を提示することができたならば、木材の消費量は増加し価格も上昇、ついては雇用の拡大や中山間の活性化につながることが期待されます。さらには、後に詳しく触れると思いますが域内キャッシュ・フローを増やすことにもつながり、高知県全体の経済の活性化に結びつく可能性があると考えています。

昨年も再生可能エネルギーの調査で訪れたオーストリアではありますが、今回はその発祥地であるギュッシングが訪問でき、CLTの工場も見学できるということで否が応でも期待に胸が高鳴ります。参加メンバーは私のほかに、中西哲県議、梶原大介県議、明神健夫県議、西内健県議の総勢5名です。(その2に続く…)

CLT視察

ヨーロッパに視察にきました。目的は大豊町で稼働中の高知おおとよ製材で生産予定のCLT(cross laminated timber)の将来性と課題について勉強するためです。ちなみに昨年に引き続いて再生可能エネルギーについても学んでまいります。

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祝2020年東京五輪招致決定!

2020年の東京五輪招致決定おめでとうございます!大変な慶事、偉業ですね。関係各位および日本国民の一体となった取り組みの成果です。そして選ばれたからには、2020年の責務を果たすべく力を合わせて頑張って参りましょう、よろしくお願いいたします!m(_ _)m

追記
さて、ここで気になるのが前回の審査には落ちてなぜ今回なのかということです。前回も今回もハード面や経済安定性および安全性については、東京が候補地の中でもピカイチであることは間違いありません。
とすればソフトの部分はどうでしょうか。選手団や元選手を動員した積極的なPRはもちろんですが、一番の要因は大多数の国民が東京五輪招致の実現を望み行動した点にあるのではないかと思います。

国民の気持ちがそのような方向に転じた大きなきっかけとして、前オリンピック大会での各競技における日本選手の活躍も大きいでしょう。しかし東日本大震災で見せた日本人の姿を抜きに語ることはできないように思います。私心を捨てて他者を思いやり、力を合わせて物事をなしたとき、普段の経済的合理性などと論じている見地からは想像もつかないような、大きな可能性を見出すことができることを知りました。大震災前までの、わかっちゃいるけどそんな勇気はございません、見て見ぬ振りとは大きな違いです。

そして、良い方向へと進み始めた歯車はさらに勢いを増します。さらに力を合わせることでもっとできることがある、日本をよくすることができるはずだと。

しかし一連の流れの中でオリンピック招致とその成果は本当に時宜を得たものとしか言いようがありません。この流れをより正しく確固たるものにするために、この流れはどこから来ているのか、どうして当たり前のように生じたのかを探ること、つまりはしつけの親さがしをする段階に来たと私は考えています。

はや70年、遅すぎるということはないと思います。喜んでお手伝いさせていただきます。

NEDOの燃料電池

8月21-23日にかけて二箇所の県外視察を行いました。

一箇所は自衛隊関係、富士総合火力演習です。もう一箇所が私的に気になる燃料電池の将来性についでした。

燃料電池については NEDO:独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構を訪問し、最新の取り組みについて様々な意見交換を行いました。

さて、なぜいま燃料電池なのかについて説明申し上げます。

まず、燃料電池とはイオン交換膜と白金触媒を用いて水素と酸素と結合させて水および電子、つまり電力を発生させるものです。昨今ではこの原理を活用した燃料電池自動車が盛んに報道等に取り沙汰されています。しかしここで燃料電池自動車の可能性を検討するにあたり電気自動車と差異があるのか、上回るメリットがあるのかという点がきにかかります。どちらも電気によってモーターを駆動させているという点では共通しています。しかし、乗り物として重視される要素、航続距離をみると現行の電気自動車の航続距離は200kmであり、ここに登坂などの走行条件が加わればさらにら航続距離を減らさざるを得ません。一方燃料電池はガソリン車と同等の航続距離を誇り、水素補充も比較的容易です。また、燃料となる水素は、産業活動のさまざまなシーンで発生していますが、現在ほとんどの水素が未利用資源のまま遺棄されています。そういったことで、電気自動車の売り上げはさほど芳しくない中で、電気自動車に改めて注目が集まっているとのことです。

しかし水素といえば、爆発するなどの危ないイメージが強いですが実際のところどうなんでしょうか。実は取扱の安全面においても、ガソリンや天然ガスと比較して、気体という特性上散逸しやすく連続して燃焼しにくいとの試験結果が出ています。

課題がないのかといえばそうてわはなくて、もっとも基本的な問題として、供給のためのインフラが未整備で、またその整備費用もガソリンと比較して数倍割高になることが挙げられます。しかし、この問題も現行規制が水素を燃料として利用する観点がなかったことに起因する法の不備や、不必要に高い取扱いのハードルを今後の法改正をすすめることによって改善されることが期待されます。
もう一点は、水素燃料に対する国民の理解の問題があげられます。安全性についてはさまざまな角度から検証が行われているわけですが、その結果がインフラ施設の建設候補地周辺の住民に理解され、受け入れられる必要があり、そのために今後は継続的なリスクコミュニケーションが不可欠となるでしょう。

そのほか私が個人的に気になっている点について触れますと、二次電池として利用できるか否かという点です。自動車に搭載されている現行の燃料電池にはそういった機能はなく、今日では技術的に難しいとのことです。またエネルギー変換効率の点からも望ましいとは言えないでしょう。電気自動車が今後アドバンテージをとるとしたら二次電池的利用面なのではないでしょうか。電気自動車の電池の大容量化に成功すれば、非常時の電源として、あるいは不安定な再生可能エネルギーの蓄電池として利用できる可能性があります。

(当面二次電池的な活用はないとして、)こういったことから私なりに考える燃料電池の今後の展望としては、自動車にこだわることなくエネルギー資源として活用していくべしです。エネファームなどは都市ガスを改質して水素を発生させ発電を行っていますが、ある程度のまとまった生産量と供給インフラが整備できたならば、水素を燃料としてそのまま供給し、都市の基本的なエネルギーとして利用できるとの見方もあります。(この場合は電池という表現は適切ではないかもしれませんね。)

兎も角も、エネルギー資源の極めて少ない日本にとって、未利用エネルギー資源の有効活用は国家安全保障上も重要な取り組みです。たとえ現時点でコスト的に見合わなくてもオプションを残しておくことも大切ですね。水素と燃料電池の今後の活躍に期待!

お盆

故郷の吾北に帰り、ご先祖様に挨拶をして参りました。
お盆といえば、自分が子供の頃には川や海へ近づくな入るなと教えられたものですが、核家族化の進行や勤務形態の変化によって家でご先祖を迎えるということをしなくなった今日においては、全くタブー視されていないようです。

親孝行は孫のため という言葉を聞いたことがあります。お盆の先祖供養もそうですが、もうすこし縦の時間軸の結びつきを大切にできる社会にしなければならないと思います。教育、制度設計、勤務形態いろいろアプローチはあるでしょうけれども、行政が福祉を抱えきれなくなりつつある今日においては、自然と復元力が働くのだろうとも思います。
下八川

お白石持ち行事ご奉仕を終えて

かつて西行法師は、伊勢神宮を訪ね次の歌を残されました。

『何ごとの おわしますかは知らねども かたじけなさに涙こぼるる』

伊勢神宮を訪ねられた人の多くが抱くであろう感覚を見事に詠みあげています。
私は二回目の伊勢訪問ではありましたが、伊勢神宮の素晴らしさは全く色褪せることはありませんでした。

下記の写真は、第62回伊勢神宮遷宮お白石持ち行事にて奉曳車の牽引をしているところです。

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私も同じ姿格好をして麻縄を手に、掛け声と共に街を練り歩きました。
そのあと境内で身を清めた後に、これまた丹念に清められたお白石を受け取ります。布で包み込むように持ち、厳粛に参道を進みます。
天照大御神がお遷りになられる新宮はすでに完成しておりますので、その周囲の好きな場所にお白石を願い事と共に据えます。

この儀式が持統天皇4年の西暦690年から20年ごとに、ほぼその様式を変えることなく脈々と受け継がれ繰り返されていることに深く感銘いたしました。二十年後も必ず参加したいと思います。次回参加ご希望の方は19年後の年初に私までご連絡くださいませ。

某先輩議員から渡された「三島由紀夫の総合研究」なる資料を帰りのバスの中で読みました。
その中の論考 三島由紀夫著 英霊の聲 にいたく琴線に触れる文面がありましたので紹介いたします。
「またこの『神風特別攻撃隊』の末尾には実際に特攻隊として出撃散華した英霊の多くの遺書が紹介され……(中略)……山口少尉の遺書には、前半部分で為政者に対する批判の言葉が並んでいるが、結局山口少尉はこう結論づける。

しかし私は国体を信じ愛し美しいものと思うがゆえに、政治家や統帥の輔弼者たちの命を奉じます。じつに日本の国体は美しいものです。古典そのものよりも、神代の有無よりも、私はそれを信じてきた祖先たちの純真そのものの歴史のすがたを愛します。美しいと思います。国体とは祖先たちの一番美しかったものの蓄積です。実在では、我が国民の最善至高なるものが皇室だと信じます。私はその美しく尊いものを、身をもって守ることを光栄としなければなりません。

そして出撃前の山口少尉の辞世は、
『名をも身をもさらに惜しまずもののふは 守り果さむ大和島根を』
である。山口少尉はそのとき二十三歳であった。」

私が伊勢神宮のご奉仕を通して触れたものも、政治家として守り通そうとしているものもこの国体に他なりません。